北陸旅行記 二日目(2018/09/09)


■朝食
  ホテル最上階(15階)のレストラン 「リコモンテ」。
  和食・洋食をメインとしたビュッフェスタイルです。
  晴れた日には立山連峰を眺めながら
  朝食をいただくことができます。

  普通の洋食メニューに加え、
  富山名物のます寿司、赤巻きかまぼこ、
  五箇山豆腐をいただきました。
「ます寿司」と「赤巻きかまぼこ」
「五箇山豆腐」
縄で縛っても形くずれしない堅豆腐です


食事の後は岐阜県の白川郷に向かいます。

富山市内は雨模様でしたが、
県境を越える頃には雨も止んで、
少し明るくなってきました。


■白川郷
  岐阜県内の庄川流域の呼称。
  白川村と旧荘川村(現高山市)に相当し、
  前者は「下白川郷」、後者は「上白川郷」と
  呼ばれますが、今日では白川村のみを
  指すことが多いようです。

  白川郷の荻町地区は
  大小60棟の合掌造りが残っており、
  今でもそこで人々の生活が営まれている
  集落として知られています。

  昭和51年(1976年)には
  美しく独特の景観をなす合掌造り集落が評価され、
  重要伝統的建造物群保存地区として選定。
  平成7年には富山県の五箇山と共に
  ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

  建物や景観だけではなく、
  地域に根付く住民同士の相互扶助の営みが
  高い評価を受けたといわれ、
  「世界遺産白川郷合掌造り保存財団」などが
  その保存にあたっています。

※合掌造り
  木の梁を山形に組み合わせて建てられた
  日本独自の住宅建築様式の一つ。
  外から見たその形が、
  まるで掌を合わせたように見えることから
  「合掌」造りと呼ぶようになったといわれます。

  本を開いて立てたような三角形の屋根は
  積雪が多く雪質が重いという
  自然条件に適合した構造となっています。

  茅葺屋根の葺き替えは30~40年周期で、
  住民の働力提供による共同作業で行われます。
まさに日本の原風景
雨に煙る三つ子の合掌造り



まずは荻町集落を一望できる展望台へ。


■城山天守閣展望台
  荻町集落を見下ろす高台にある
  「お食事処 天守閣」の展望台。
  集落を一望するのに絶好の場所のひとつです。
  (食事をしなくても利用できます(無料))

  合掌造りの家屋や田んぼなど、
  静かな集落のたたずまいを見渡すことができます。
  天気が良ければ白山連峰も見られます。

  また、近くには荻町城跡展望台があり、
  こことは一味違った風景を楽しむことができます。
荻町集落の中でも合掌造りが多く残るエリア
荻町集落全景
続いて村営せせらぎ公園駐車場に移動し、
車を停めて集落内を散策しました。

まずは明善寺を見学。


 
■明善寺
  荻町集落内の真宗大谷派の寺院。
  延享5年(1748年)創建。

  本堂・鐘楼門・庫裡ともに合掌造りであり、
  他に類を見ないお寺となっています。

 ・本堂(白川村指定文化財)
   文政10年(1827年)建立。
   集落内の民家と同じ茅葺合掌造りですが、
   寺院の本堂らしく総て欅材を用い、
   屋根は合掌入母屋造りとしています。

 ・鐘楼門(岐阜県指定文化財)
   亨和2年(1801年)建立。
   屋根は茅葺きですが、
   一階に板庇をつけた珍しい建物です。

 ・庫裡(岐阜県指定文化財)
   文化12年(1817年)建立。
   五階建てで白川村最大の合掌造り。
   古い農機具や民具などが展示されており、
   「明善寺郷土館」として公開されています。


本堂(中央)、庫裡(右)




鐘楼門(岐阜県指定文化財) 本堂(白川村指定文化財)
庫裡(岐阜県指定文化財) 庫裡の玄関
庫裡内部(二階部分) 農機具や民具などが展示されています


集落を散策しつつ、和田家住宅に向かいます。

途中で雨が降り出しました。


■和田家住宅
  荻町集落の合掌造り民家として最大規模の建築物。
  現在も住居として使われていますが、
  内部の見学が可能です。

  和田家は、江戸時代には
  名主や口留番所の役人を務め、
  火薬の原料である焔硝の取引で繁栄しました。

  政治的にも経済的にも大きな力を持っていたため、
  住宅は式台付きの玄関を備えるなど
  格式の高い造りになっています。

  建築年代は諸説ありますが、文化庁によると
  江戸時代末期であると推定されています。

  主屋、土蔵、便所が国の重要文化財に指定。
主屋(妻側)
国指定重要文化財
主屋(平側)
国指定重要文化財
主屋(左)、便所(右)
いずれも国指定重要文化財
城山天守閣展望台から和田家住宅を望む
土蔵(左)、主屋(中央)
いずれも国指定重要文化財
茅葺屋根の棟部
一階天井の太い梁 茅葺屋根の庇部

■昼食
  荻町集落内にある「食事処 いろり」。
  飛騨・白川郷・五箇山で採れた
  新鮮な山菜、野菜などをふんだんに使った
  料理を堪能することができます。

  「飛騨牛朴葉みそ焼定食」を注文。

  朴葉の上で飛騨牛とみそを焼いて食べます。
  牛肉の旨味と香ばしいみそが調和して、とても美味。
  ニジマスの甘露煮も絶品。
  そばと堅豆腐は素朴な感じの味でした。

  おいしくいただきました。
飛騨牛
ニジマスの甘露煮

素朴な味のそば
 
昼食後、集落内を少し散策。

五平餅も食べました。

最後に、
合掌造りの建物をそのまま活かして作られた
「文化喫茶 郷愁」でほっと一息。
白川郷の風景を楽しみながら
コーヒーを味わいました。


続いて富山県に戻り、
五箇山の合掌造り集落に向かいます。

この頃から雨脚が強くなってきました。
稲穂と合掌造り
五平餅 文化喫茶 郷愁からの眺め


■五箇山
  富山県の南西端、
  庄川沿いに位置する自然豊かな地域。
  この地域は有数の豪雪地帯であり、
  そのような風土から傾斜の急な大きな屋根を持つ
  合掌造りの家屋が生まれました。

  五箇山は40の小さな集落の総称ですが、
  「世界文化遺産」に登録されているのは
  相倉と菅沼の2集落だけです。

  合掌造りが立ち並び、
  のどかな山村風景が見られるこの2集落は、
  昭和45年(1970年)に国の史跡に指定、
  平成6年には重要伝統的建造物群保存地区として
  選定されています。


まずは菅沼合掌造り集落へ。


■菅沼合掌造り集落
  豊かな自然に囲まれたこの集落には
  9戸の合掌造り家屋が現存しています。

  土蔵や板倉などの伝統的な建物や、
  雪持林や茅場などの山林をも含めた地域も
  史跡に指定されており、
  観光地化されていないのが魅力です。

  集落内には
  江戸時代の主産業を伝える「塩硝の館」や
  五箇山の歴史と伝統を学ぶことができる
  「五箇山民俗館」があります。

駐車場のある展望広場から国道156号線沿いに
少し下ったところから菅沼合掌造り集落を一望

右手前に見えるのが「塩硝の館」
けっこう強い雨が降ってます
五箇山民俗館

続いて相倉合掌造り集落に向かいますが、
途中にある国指定重要文化財の「村上家」に立ち寄り。


■村上家
  五箇山地方の中でも、
  古い時代の建築様式を改造せずに
  今に伝える代表的建造物。
  国指定重要文化財。

  一重四階、切妻造り茅葺、戸口は妻入りで、
  高さ11.0m、幅10.7m、奥行20.4m。
  合掌造りの中でも最大規模の農家。

  天正年間(1573年~1593年)に建設されたと
  伝えられており、約400年の歴史を伝える
  貴重な合掌造り家屋です。
  
  建物内には
  江戸時代に五箇山の主産業といわれた塩硝製造や
  和紙製造等の民族資料数千点が展示されており、
  五箇山の生活史を見ることができます。
国指定重要文化財
重要文化財指定書 囲炉裏のある居間
二階 民族資料の展示
屋根組みには釘を一本も使わず
丈夫な縄で固定されています
煙に燻されて黒光りしています


続いて相倉合掌造り集落へ。


■相倉合掌造り集落
  庄川左岸の段丘上に位置し、
  ゆるく傾斜する細長い台地に広がる集落。
  合掌造りの建物が新旧民家と寺、道場、
  小屋などを合わせて24棟あります。

  現存する合掌造りの多くは
  江戸時代末期から明治時代に
  建てられたものですが、
  最も古いものは17世紀に建てられたと
  考えられています。

  合掌造りを中心とする家並、道路、田畑、
  水路、茅場、雪持林などからなる景観は、
  おおよそ明治から昭和初期にかけての様相で、
  懐かしく美しい風景を現在に伝えています。
駐車場から徒歩10分くらい登ったところにある
展望台より相倉合掌造り集落を望む
展望台より少し下ったところより撮影
すすきと合掌造り


最後にちょっとブレイク。

駐車場脇にある「合掌茶屋 相倉屋」。
「甘酒」、「冷やしあめ」、「栃餅」を注文。
雨の中の観光で疲れていたので、
甘い飲み物は最高でした。
栃餅も素朴な味でおいしかったです。


これにて本日の観光は終了。

本日の宿のある金沢に向かいます。
栃餅
冷やしあめ 甘酒
(一応断っておきますが、アルコールは含まれていません)
■本日のお宿
  金沢城公園に隣接する「金沢白鳥路 ホテル山楽」。
  和と洋の魅力を併せ持った金沢文化と
  大正ロマンの情緒漂うクラシックホテルです。

  エントランスに足を踏み入れると
  赤絨毯にステンドグラス、重厚感のある
  格子天井と照明が目に飛び込んできます。

  館内もエレガントで気品溢れる空間となっており、
  金沢市内では珍しい天然温泉も併設されています。
■夕食
  金沢駅ビル内にある「加賀屋 金沢店」。
  「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で
  36年連続総合1位を受賞した
  和倉温泉の旅館「加賀屋」直営の和食店です。

  四季折々の海の幸や加賀野菜を使用した
  会席料理などのメニューがあり、
  加賀屋の味を手軽に味わうことができます。

  石川の味覚を堪能できる「かがやき」を注文。


  献立は下記のとおり。

   ・口取り
   ・お造り盛合わせ
   ・能登の珍味「干し口子」
   ・郷土料理「えびす」
   ・治部煮
   ・季節の茶碗蒸し
   ・魚介と加賀野菜天麩羅
   ・石川県産こしひかり
     自家製じゃこ
   ・加賀麩味噌汁
   ・加賀のお漬物


  加賀屋の贅沢な雰囲気を味わうことができ、
  味も献立も満足のいく料理でした。
  ごちそうさまでした。
かがやき
御重の引き出しを開けると出てくる「口取り」
(食膳の初めに出される皿盛り)
お造り盛合わせと干し口子(ナマコの卵巣を干したもの) 郷土料理「えびす」
溶き卵を生姜のきいただし汁に流し込み寒天で固めたもの
治部煮(こちらも金沢の代表的な郷土料理)
鴨肉、麩、しいたけなどの入ったとろみのある汁
薬味にわさびを使うのが特徴
季節の茶碗蒸し
魚介と加賀野菜天麩羅 石川県産こしひかり、自家製じゃこ
加賀のお漬物、加賀麩味噌汁



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