島根旅行記 二日目(2015/09/11)


■朝食
  ホテル1階のレストラン「シャングリ・ラ」。
  約30種類のバラエティー豊富な和洋ビュッフェ。
  おいしさと健康にこだわった朝食が用意されています。

  昼食が出雲そばの予定なので、たっぷり食べました。


  今日の観光は出雲方面。
  山陰道を通って、出雲大社に向かいます。


■出雲大社
  正式名称は「いづもおおやしろ」。
  日本最古の歴史書といわれる「古事記」に
  その創建が記されているほどの古社で、
  古代より杵築大社(きづきのおおやしろ)と呼ばれていましたが、
  明治4年(1871年)に出雲大社と改称。

  祭神は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。
  「だいこくさま」として親しまれ、
  福の神、平和の神、縁結びの神、農耕の神、医薬の神として
  崇められています。

  現在の御本殿は延享元年(1744年)に造営。
  白木を用いた日本で一番古い神社建築様式でもある
  大社造りの代表建築です。
  高さ24m。国宝に指定。

  広さ約27,000㎡の境内には、御本殿を中心に拝殿、摂社8社、
  末社3社、文庫、宝庫、彰古館などが建ち並んでいます。

  旧暦10月(神無月)には全国から八百万の神々が集まり、
  神議が行われるため出雲では神在月と呼ばれています。

  参拝の作法は「二礼四拍手一礼」。


  ※祓社、銅の鳥居(四の鳥居)、東十九社、釜社は改修中でした。
  勢溜の大鳥居(二の鳥居)

宇迦橋の大鳥居(一の鳥居)と神門通り
  境内にはたくさんのうさぎがいます

全国でも珍しい下り参道

中の鳥居(三の鳥居)と
松の参道(出雲市指定史跡)

縁むすびの碑

ムスビの御神像
大国主大神が海から幸魂奇魂を授けられ
ムスビの大神となった場面

御慈愛の御神像
大国主大神にまつわる
因幡の白兎神話をモチーフにしたもの
神馬

神牛

  拝殿
  改修中でした
八足門【国指定重要文化財】
通常の参拝ではここから中に
立ち入ることができません

御本殿【国宝】


  左:御本殿【国宝】
  中:御向社【国指定重要文化財】
  祭神:須勢理比売命(すせりひめのみこと)
  右:天前社【国指定重要文化財】
  祭神:蚶貝比売命(きさがいひめのみこと)
      蛤貝比売命(うむがいひめのみこと)
素鵞社【国指定重要文化財】
祭神:素戔鳴尊(すさのおのみこと)

  御本殿【国宝】

手前:筑紫社【国指定重要文化財】
祭神:多紀理比売命(たぎりひめのみこと)

奥:御本殿【国宝】
氏社【国指定重要文化財】
祭神:左:宮向宿祢(みやむきのすくね)
     右:天穂日命(あめのほひのみこと)
  西十九社【国指定重要文化財】
  祭神:八百萬神(やおよろずのかみ)
  神在祭の間、集われた
  全国各地の神々の宿所となる社
神楽殿
神楽殿の大注連縄
長さ13m、周囲9m、重さ5t



  参拝を終え、ちょっと早めの昼食。
  旧参道のお宮通りを通って出雲そばのお店へ。

  このあたりは鬼瓦に大国様が付いている家が多いです。
■昼食
  「そば処 かねや」。
  昭和4年の創業以来、出雲大社の御用達として知られる店。
  行列のできる人気店です。
  「挽きたて、打ちたて、茹でたて」にこだわり、
  そばつゆはウルメイワシと日高昆布でダシをとっています。

  11時前に入ったので、全然混んでいませんでした。
  「三色割子3段」を注文。
  海苔ともみじおろしなどの薬味をのせたものと、玉子、とろろの3段。

  一番上の段からつゆをかけて食べます。
  1段目を食べ終えたら、余ったつゆを2段目へ。3段目も同様。
  最後に残ったつゆはそば湯に注いでいただきます。

  つなぎが1割程度でコシの強いそばでした。
三色割子3段

  海苔ともみじおろしなどの薬味のみ

玉子


とろろ


  そば湯


  昼食の後は再び観光。
  勢溜の鳥居前を通って島根県立古代出雲歴史博物館へ。


■島根県立古代出雲歴史博物館
  2007年3月10日開館。
  出雲大社の東隣りにあります。

  主に出雲大社を中心とした古代出雲についての展示を行っており、
  それ以外に石見銀山・たたら製鉄・青銅器・風土記神話など、
  島根県全域に渡る歴史と文化を紹介しています。
  常設展示室(テーマ別展示室、神話展示室、総合展示室)と
  特別展示室があります。

  ・テーマ別展示室
    「出雲大社と神々の国のまつり」「出雲国風土記の世界」
    「青銅器と金色の大刀」の三つのテーマに分かれており、
    古代出雲を様々な角度から紹介しています。
  ・神話展示室
    「古事記」「日本書紀」「出雲国風土記」などの
    歴史書物に記された、出雲を舞台にした神話や伝承を
    分かりやすく紹介しています。
  ・総合展示室
    島根の歴史と文化の特徴である「四隅突出型墳丘墓」
    「出雲の玉作り」「石見銀山」「たたら製鉄」を中心に、
    古代から現代に至る島根の人々の生活と交流の歴史を
    紹介しています。
  ・特別展示室
    古代文化に関するテーマ、東アジアとの交流・異文化理解
    につながるテーマ、祈りなど信仰に関するテーマ、
    日本文化の源流に迫るテーマなどからなる企画展を
    開催します。
  ここにもうさぎが・・・

出雲大社境内から出土した宇豆柱
直径1.35mのスギの大木を3本束ねたもの
日本最古級の神像(青木遺跡出土)
  須恵器(出雲国府跡出土)
平安時代の出雲大社本殿の再現模型(1/10スケール)
画像中央やや左の階段を上っている
白い米粒のようなものが人です

銅剣358本(荒神谷遺跡出土)
【国宝含む】
銅鐸(加茂岩倉遺跡出土)【国宝】

  銅鐸(加茂岩倉遺跡出土)【国宝】

三角縁神獣鏡(神原神社古墳出土)
卑弥呼が魏から授かったとされる鏡
【国指定重要文化財】


中央:素環頭大刀(神原神社古墳出土)
【国指定重要文化財】

  埴輪と土器(上塩冶築山古墳出土)


  続いて神門通りへ。
  出雲名物のスイーツを食べます。


■大社門前いづも屋
  出雲ぜんざい、門前だんご、出雲そばのお店。
  出雲はぜんざい発祥の地といわれています。

  団子の材料は県内有数の米どころ、
  奥出雲町の仁多で栽培されたもち米100%。
  醤油や味噌なども
  店主が吟味しこだわり抜いた素材を使用しています。

  「出雲ぜんざい」、「門前だんご」の「黒蜜きなこ」と「うぐいす」を注文。
  程よい甘さで、とてもおいしかったです。
出雲ぜんざい


門前だんご(黒蜜きなこ)

  門前だんご(うぐいす)

  再び観光に戻ります。。
  神門通りの中ほどにある一畑電車の出雲大社前駅へ。


■出雲大社前駅(デハニ50形52号車)
  一畑電車大社線の終着駅。昭和5年(1930年)開業。
  白いドーム天井とステンドグラスがはめ込まれた
  西洋風の建築が特徴的な駅舎は、
  平成8年に国の登録有形文化財に指定され、
  平成21年には経済産業省の近代化産業遺産に認定されました。

  この駅に展示されているのがデハニ50形52号車。
  平成22年公開の映画
  「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」で
  一躍有名になった日本最古級の電車。
  昭和3年(1928年)製造。
  平成21年3月に現役引退後、
  映画撮影のために平成21年9月に再び営業線上を走行しました。
  それ以降は車庫内で保存されていましたが、
  映画の公開に併せてこの駅に展示されることになりました。

運転席


  車内
  小手荷物室から客室を望む

■旧大社駅
  明治45年(1912年)開業。
  大正13年(1924年)に改築された後、平成2年3月31日に廃止。
  廃駅まで出雲大社の表玄関口として親しまれてきました。
  平成16年、国の重要文化財に指定。

  出雲大社の門前町にふさわしい神社風の造り。
  内部には大正風の灯篭型の和風シャンデリアが保存されており、
  和洋折衷の不思議な魅力にあふれています。
  待合室は正面向かって右手が二等待合室、
  中央の大きな一般待合室と二つあり、
  昭和初期までは分けて使用されていました。
  皇室の勅使をもてなすための貴賓室や駅名標などが
  当時のまま残されています。
  切符売場

【国指定重要文化財】
 
駅舎内部
和風シャンデリアが吊るされています

懐かしい切符の収納棚
昔は印刷された硬券切符を
ここから取り出して販売していました

改札口

  ホームと駅舎

  D51形蒸気機関車





動輪マーク入りの鬼瓦


  屋根にある懸魚(げぎょ)
  火難除けの意味合い
  城の天守に見られる鯱鉾のようなもの
  続いて日御碕方面へ。
  車で20分くらいかかります。


■日御碕神社
  島根半島の西端に位置し、
  「出雲国風土記」に「美佐伎社」と記される古社。
  下の宮「日沈の宮」と上の宮「神の宮」という上下二社からなり、
  両本社を総称して「日御碕神社」と呼びます。

  日沈の宮という名前は伊勢神宮が日本の昼を守るのに対し、
  日御碕神社は日本の夜を守るようにと
  勅命を受けたことに由来します。

  ・神の宮
     創建:安寧天皇13年(紀元前536年)
     祭神:素盞嗚尊(すさのおのみこと)

  ・日沈の宮
     創建:天暦2年(948年)
     祭神:天照大御神(あまてらすおおみかみ)

  日没の宮は、初めは日本海に浮かぶ経島に鎮座していましたが、
  天暦2年(948年)に現在地に遷座されました。

  現在の建物は江戸幕府三代将軍・徳川家光公の命により、
  松江藩主・京極忠高公が寛永11年(1634年)に着手し、
  寛永21年(1644年)に松平直政公が完成させました。

  社殿の全部と鳥居などが国の重要文化財に指定されています。
  日御碕に向かう道路から神社全体を俯瞰

  鳥居【国指定重要文化財】
楼門【国指定重要文化財】 神の宮【国指定重要文化財】   日沈の宮【国指定重要文化財】


■出雲日御碕灯台
  「日本の自然100選」の一つ「日御碕」の突端に立つ灯台。
  外壁は美しい切石積み、内壁はレンガを積み立てた
  特殊な二重構造となっています。
  明治33年(1900年)着工、明治36年(1903年)4月1日初点。

  地上から灯塔の項部までの高さは43.65mと
  石積みの灯台としては日本一の高さを誇ります。
  全国に5か所しかない最大の第1等レンズを使用した第1等灯台。
  光度は48万カンデラ、光達距離は約39kmとなっています。

  その歴史や文化的な価値の高さから、
  「世界の歴史的灯台100選」や「日本の灯台50選」に選ばれており、
  平成25年には国の登録有形文化財に選ばれました。
風光明媚な海岸にあります


  第1等フレネルレンズ

頭頂部からの眺め   経島(ふみしま)
  鳥居と祠があります(画像中央部)
  古代には日没の宮が鎮座していました
  ウミネコの繁殖地として有名です
最上階へは勾配が極めて急な
梯子状の階段を上がります


■稲佐の浜
  出雲大社の西方1kmにある海岸。
  国譲り、国引きの神話で知られています。

  大国主大神は、天照大御神より国譲りの使命を受けた
  武甕槌神(たけみかづちのかみ)をこの浜に迎えました。
  浜辺の奥には大国主大神と武甕槌神が
  国譲りの交渉をしたという屏風岩があり、
  南には国引きのとき、島を結ぶ綱になったという
  長浜海岸(薗の長浜)が続いています。

  神在月には全国の八百万の神々をお迎えする浜でもあり、
  神迎えの神事が行われます。

  この浜には「弁天島」と呼ばれる一際目立つ丸い島があります。
  古くは「沖御前」といわれ、沖にあったといわれていますが、
  近年、急に砂浜が広がり、歩いて行けるようになりました。
  かつては「弁財天」が祀られていましたが、
  現在は豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)が祀られています。
  弁天島

  豊玉毘古命を祀っています


  出雲の観光はこれにて終了。
  本日の宿泊地・玉造温泉に向かいます。


■本日のお宿
  玉造温泉にある「佳翠苑 皆美」。
  宍道湖畔にある明治21年(1888年)創業の老舗「皆美館」の
  別館として、昭和27年に「皆美別館」として玉造温泉に開業。
  客室数115室、最大収容人員520名の大型旅館。

  120余年の歴史で培ったきめ細やかな和のおもてなしと
  伝統の味が自慢の旅館です。
  温泉は、展望露天風呂をはじめ手湯足湯・美顔入浴など
  趣の異なる様々なお湯を楽しむことができます。

  夕食は四季折々の旬の食材を使用した会席料理を伝統の味で、
  朝食は厳選した地元食材中心のご馳走ビュッフェを
  堪能することができます。

  第40回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選(平成27年)では、
  総合23位、もてなし部門20位、料理部門24位、施設部門12位に
  ランキングされています。

  空室が出たためか、
  部屋のタイプをグレードアップしていただけました。
  佳翠苑 皆美



到着時のおもてなし
福来茶(隠岐の島で飲用される健康茶)と
りんごのジュレ(皆美オリジナル)
西の館・飛天
ときの宿りフロア「天ゆら」
モダンスタイルの和洋室
  窓からは宍道湖が見えました

  売店にてあぶり餅とお茶のサービス

アメリカの日本庭園専門誌の
「2014年度日本庭園ランキング」で8位に選ばれた庭園


  荷物を置いた後は玉造温泉街を散策。

※玉造温泉
  奈良時代開湯といわれる古湯。
  大国主大神とともに国造りをした
  少彦名命(すくなひこなのみこと)の発見と伝えられています。
  平安時代より三名泉とされ、規模・歴史ともに島根県随一。
  古くから美人の湯、薬湯としてその名が知られています。
  温泉街は玉湯川沿いにあり、独特の温泉情緒を醸しだしています。
  勾玉橋と玉湯川
「八俣大蛇(ヤマタノオロチ)退治神話」
のオブジェ


「因幡の白兎神話」のオブジェ

  玉造アートボックス
  雑貨店などの複合ショップ
  お土産などを見ました

  散策の後は飛天の館・最上階にある展望露天風呂でゆったり。
  多くの人が夕食の時間だったようで、
  ずっと一人っきりで貸切状態でした。


■夕食
  館内の旬の宿りダイニング「穀厨」にて、
  旬の素材をふんだんに使った季節の会席料理。

  旅館の食事といったら「部屋食」と思うかもしれませんが、
  皆美一押しは「ダイニング」でのお食事。
  イス席なので足を楽にゆっくりお食事ができます。

  メインが選べるプランだったので、
  妻と別々のものを選んでシェアしました。

  見た目も美しく、とても美味で大満足の料理でした。

  <御献立>
   先付    :胡麻豆ふ 紅葉麩 杭牛蒡 小芋 オクラ
           皆美特製胡麻だれ
   前菜    :味覚盛り込み
   吸物替り  :出雲恵比寿 大黒 縁起仕立て
           出雲十六島岩海苔 鯛 海老餅 野菜色々
   御造り   :三種盛合わせ あしらい一式
   お好み料理:(私)和牛グリル (妻)鰈のグリル
   味二題    :松茸法蓮草菊花の浸し 揚げちりめん
           海老芋万十 紅葉人参 銀杏 琥珀あん
   留肴    :もずく酢
   名物    :三瓶山「さひめの泉」で炊いた仁多米
           鯛の蜆味噌茶漬け 薬味色々
   香の物
   デザート
  先付

  前菜
 
前菜

吸物替り(二人分)

  吸物替りを取り分けたもの

御造り

和牛グリル

  鰈のグリル

味二題

味二題

  留肴
名物
香の物
  デザート




  夕食の後は提灯を持って夜の温泉街を散策。
  川沿いや姫神広場の足湯に入ったり、
  竹で作られた灯籠1000個にキャンドルが灯される
  光の夢劇場を楽しみました。
川沿いの足湯
姫神広場にある姫神様のオブジェ
  光の夢劇場



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