仙台・松島旅行記 二日目(2010/09/12)


■松島
  言わずもがな、日本三景の一つです。。
  大小260余りの島々が点在する特別名勝。
  松島丘陵の東部が沈下して形成された複雑な入江を
  長年にわたり波が浸食し、現在の景観を作り出しました。


■松島観光遊覧船(芭蕉コース)
  松島にはいくつかの会社の遊覧船が運航されていて、
  さまざまな遊覧コースがあります。
  船上からウミネコに餌やりをするのが名物となっています。

  今回は、丸文松島汽船の「芭蕉コース」を選択。
  昔、松尾芭蕉が塩釜から松島へ舟で渡るときに通った島々を
  巡るものです。
  丸文松島汽船だけしか見られない島々もあるとのことで、
  このコースを選択しました。

  乗船地はマリンゲート塩釜(塩釜港)。
  レンタカーを駐車場に置き、
  10時30分発の第五芭蕉丸に乗船。
  乗客は、私と妻の他に男性2名だけでした。
  乗組員の方が多いんじゃないの・・・

  出港と同時に、ウミネコが付いてきます。
  出港から当分の間は島が見えないので、
  餌のかっぱえびせんをやりました。(事前にコンビニにて購入済み)
  失敗することなく、うまくキャッチしていきます。
  楽しすぎです。
  すっかり夢中になってしまいました。
  雨がデッキの中に吹き込んできましたが、頑張って餌やりしました。

  かっぱえびせんが無くなった頃から、島が見えてきました。(計画通り)
  湾に浮かぶ島々にはそれぞれ名前やエピソードがあり、
  船内放送で解説があります。
  覚えきれませんが・・・
  どの島にも見事な松が生えていました。まさに「松島」。
  約50分の船旅で、松島港に到着。

  第五芭蕉丸

  ウミネコがついてきます

  見事キャッチ!
 
馬放島

地蔵島

  躑躅(つつじ)島

夫婦島
左が高遠島(雌島)、右が沖ノ高遠島(雄島)

鍋島

  二ッ島

仁王島

小藻根島

  小藻根島の長命穴
  船で通ると長生きすると言われています

大藻根島

鷺島

  鐘島
  この島に大波が打ち寄せると、鐘を
  打ったように聞こえることから名付けられた

駒島

材木島

  モンド島

ドウラン島

鎧島

  在城島
  伊達政宗公が月見の宴を開いたと
  言われています
兜島

小町島

  伊勢島

恵比寿島

大黒島

  毘沙門島

布袋島

千貫島
伊達政宗公お気に入りの島で、
「あの島を余の館に運ぶ者あらば、銭千貫を
遣わす」と言ったことから名付けられた
  双子島
  左が亀島、右が鯨島
 


松島港到着
桟橋にはたくさんのウミネコがいます


  日本三景の碑
  「陸奥松島 丹後天橋立 安藝嚴嶋
  為三処奇観」 林 春斎


■昼食
  松島名物を食べるために、「かきと海鮮料理 旬海」へ。
  松島といえば牡蠣が有名ですが、穴子も名物の一つです。
  私は「穴子天膳」、妻は「牡蠣御膳」と「焼き牡蠣」を注文。
  私は貝類が苦手なので・・・
  穴子天は一本丸ごと豪快に揚げてあり、ボリューム満点。
  衣はさっくり、中はふんわりしてて、おいしかったです。
  牡蠣もおいしかったようです。

穴子天膳


牡蠣御膳

  焼き牡蠣

■天麟院
  伊達政宗公と正室・愛姫との間に生まれた
  ただ一人の娘・五郎八姫(いろはひめ)の菩提寺で、
  境内には五郎八姫の霊廟があります。
  陽徳院、円通院と並んで松島の三霊廟に数えられています。
  五郎八姫は、政略結婚により徳川家康公の
  六男・松平忠輝公の正室となりますが、
  忠輝公が幕府と対立して高田藩75万石を取り上げられると、
  離縁されて仙台に戻り、仏門へ入りました。
  本堂

猫がたくさんいました
そのうちの一匹



五郎八姫 仮霊屋

  洞窟群


■三聖堂
  天和2年(1682年)、瑞巌寺101世鵬雲によって建てられたこの堂は、
  方3間の素木造、屋根は宝形造で茅葺き、
  正面に一軒の向拝のついた質朴端正な建物です。
  堂内正面中央に聖観世音菩薩、左に達磨大師、右に菅原道真公を
  安置したことから三聖堂といいます。
  創建以来、屋根替え以外の修理は行われていません。
  松島町指定文化財です。


■瑞巌寺
  正式名称は「松島青龍山瑞巌円福禅寺」。
  天長5年(828年)、慈覚大師円仁によって開創された奥州随一の禅寺で、
  延暦寺と肩を並べる大寺院だったことから延福寺と命名されました。
  その後、円福寺と改名され、現在の臨済宗妙心寺派瑞巌寺と変遷。
  近世に入ると、伊達家の菩提寺となりました。
  現在の建物は、 伊達政宗公が桃山様式の粋を尽くし、
  諸国から130人以上の名工を集めて、
  約5年の歳月をかけて慶長9年(1604年)に完成させたものです。
  現在も当時の建物が残り、本堂と庫裡は国宝、
  御成門、中門、太鼓塀は国の重要文化財に指定されています。
  本堂・御成門・中門などは、平成の大修理により平成28年頃まで
  非公開となっています。

   三聖堂(松島町指定文化財)










参道

登竜門

  庫裡(国宝)

「めざましどようび」の「どようびのにゃんこ」に
出たことのある「シロちゃん」
 


法身窟

  洞窟群

■陽徳院
  伊達政宗公の正室・愛姫の廟所を護る香華院で、
  二代藩主忠宗公が母の信仰に報いるため、
  瑞巌寺の修行道場として慶庵3年(1650年)に開創しました。
  陽徳院(愛姫の院号)の御霊屋は、三代藩主綱宗公によって
  万治3年(1660年)に造営されました。
  廟名は寶華殿と呼ばれ、宮城県の重要文化財に指定されています。
  通常は一般公開されていませんが、瑞巌寺の平成大修理期間中、
  寶華殿のみ特別公開されています。(ただし、撮影禁止)
  瑞鳳殿と同様、豪華絢爛な建物でした。


■円通院
  臨済宗妙心寺派の寺院で、御本尊は聖観世音菩薩。
  二代藩主忠宗公の次男で、19歳で早世した光宗公の菩提寺です。
  正保4年(1647年)、瑞巌寺100世洞水和尚により
  光宗公の霊廟三慧殿が建立され、開山されました。
  三慧殿は、技術の粋を尽くした伊達家屈指の建築物で、
  国の重要文化財に指定されています。
  三慧殿の厨子には、支倉常長が西洋から持ち帰った
  薔薇が描かれていることから、「薔薇寺」との異名を持ち、
  薔薇を題材にした庭園もあります。
   山門(松島町指定文化財)

石庭「雲外天地の庭」


三慧殿(国指定重要文化財)


  宮殿型厨子


■松島蒲鉾本舗五大堂店
  笹かまぼこの手焼き体験をしました。
  体験できる店はいくつかありますが、
  備長炭の炭火焼きということで、この店を選択。
  火に近付けすぎず、辛抱することがうまく焼く秘訣だそうですが、
  なかなかうまく焼けませんでした。
  でも、焼き立てはとてもおいしかったです。


■五大堂
  大同2年(807年)、坂上田村麻呂が奥州遠征の際に
  毘沙門堂を建立したのが始まり。
  その後天長5年(828年)、慈覚大師円仁が延福寺(現在の瑞巌寺)を
  開基の際、「大聖不動明王」を中心に、
  「東方降三世」、「西方大威徳」、 「南方軍荼利」、「北方金剛夜叉」の
  五大明王像を安置したことから、五大堂と呼ばれるようになりました。
  現在の建物は、 慶長9年(1604年)、
  伊達政宗公が桃山式建築手法の粋を尽くして創建したものです。
  東北地方最古の桃山建築といわれ、国指定重要文化財です。
  堂四面の蟇股にはその方位に対して十二支の彫刻を配しています。

  五大堂の建立された小島へ渡る橋は「すかし橋」と呼ばれています。
  橋げたの隙間から海が見えることから、
  五大堂への参詣には身も心も乱れのないように、
  足元をよく見て気を引き締めさせるための配慮といわれています。

  五大堂(国指定重要文化財)

遊覧船から見た五大堂

卯(うさぎ)

  辰(たつ)

「五太堂」となっています
筆の遊びで「大」が「太」になったと
いわれています


すかし橋

  隙間から海が見えます

■観瀾亭
  豊臣秀吉公の伏見桃山城にあった茶室で、
  伊達政宗公が譲り受けて江戸の藩邸に移築していたものを、
  二代藩主忠宗公が1本1石も変えぬようにと命じ、
  海路ここに移したと伝えられています。
  藩主・姫君・側室等の松島遊覧、
  幕府巡見使等の諸国巡回の際の宿泊及び接待用の施設となる
  「御仮屋」として利用されていました。
  宮城県の重要文化財に指定されています。


  これで松島の観光は終了。
  レンタカーを駐車したマリンゲート塩釜に戻るために、
  JR仙石線の松島海岸駅に向かいます。

  途中、「菓匠三全 松島寺町小路店」があったので立ち寄り。
  ずんだシェイクを飲む。
  すっきりしてて、とてもおいしかったです。

  松島海岸駅15:34発あおば通行き快速に乗車。
  JR仙石線の電車のドアは半自動で、
  乗降車時には自分でボタンを押してドアの開閉をしなければなりません。
  15:42本塩釜駅着。
  マリンゲート塩釜まで歩き、レンタカーで秋保温泉へ向かいます。 









  松島海岸駅



■本日のお宿
  秋保温泉にある「伝承千年の宿 佐勘」。
  秋保温泉は、6世紀の欽明天皇の時代に、
  皇室の御料温泉の一つとして位置づけられ「御湯」の称号を賜り、
  別所温泉(長野県)、野沢温泉(長野県)と共に「日本三御湯」と
  称せられるようになりました。
  また、鳴子温泉(宮城県)、飯坂温泉(福島県)と並んで
  「奥州三名湯」に数えられています。
  佐勘は元湯の宿で、
  平安時代から「湯守役」を務めていたことに起源を有します。
  江戸時代には、伊達政宗公の「湯浴み御殿」として栄えた
  ゆかりの湯です。
  「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」において、
  総合6位に入賞したこともあります。
  客室(山翠館)

佐勘の歴史を物語る「主屋」


  400年燃え続ける家宝の聖火


■夕食
  部屋食。
  身体にやさしい、自然にもやさしい「みちのくの美味しいもの」を
  可能な限りメニューに取り入れているとのこと。
  とても満足のいく、おいしい食事でした。
前菜

  造里

焼物(甲烏賊のタルタル焼)

冷し鉢

  鍋物(仙台黒毛和牛しゃぶしゃぶ)

鍋物(みやぎの野菜)

中皿(朴葉味噌焼)

  食事(蛸飯)

止椀(仙台味噌仕立て) 香の物   水菓子



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