鹿児島旅行記 一日目(2019/09/05)


■出発
  先島諸島付近にあり、
  東シナ海を北へ進んでいる台風13号の動きが
  非常に気になるところですが、
  進路予想と鹿児島の天気予報を考慮の上、
  台風の影響はあまりないと判断して、
  予定どおり鹿児島旅行を決行しました。

  羽田空港6:45発ANA619便に搭乗。
  利用者の搭乗が早く完了したため、
  定刻より早い6:42に出発。

  鹿児島空港には定刻より7分早い8:28に到着。
  雲が多いものの青空が広がっていました。

  今回のレンタカーは三菱のミラージュ。
ANA619便 三菱 ミラージュ


まずは平成30年の大河ドラマ「西郷どん」のロケや、
過去の大河ドラマ「翔ぶが如く」、「篤姫」、「龍馬伝」
などでもロケに使われた龍門司坂に向かいます。


■龍門司坂
  国指定史跡。
  杉木立と木洩れ日、そして
  苔むした石畳の風情が美しい坂道。

  江戸時代の主要街道であった大口筋の一部で、
  大名行列や物資の搬出などに使われました。
  全長は1,500m余りありましたが、
  現在は487mが当時の姿で残っています。
  石畳敷きの平均幅は約4m、最大幅は約7mです。

  龍門司坂は寛永12年(1635年)に造られました。
  この坂道は粘土質で滑るうえ、
  風雨による決壊がひどかったため、
  元文6年(1741年)に近くの樋ノ迫山から
  石材が切り出され、街道に石が敷かれました。

  明治10年(1877年)の西南の役の際には、
  西郷隆盛率いる総勢6,000名ともいわれる薩軍が
  この坂道を通って熊本へ向かいました。

  平成8年には文化庁より「歴史の道百選」に
  選定されています。


続いて近くにある龍門滝へ。

読み方は「りゅうもんだき」、
先ほどの龍門司坂は「たつもんじざか」。
同じ「龍門」が入っていますが、
読み方が異なっています。


■龍門滝
  網掛川中流にある雄大な滝。
  高さ46m、幅43m。
  「日本の滝百選」に選ばれています。

  上流から農業用水が取水されるため、
  季節や天候によって水量が大きく変動する滝です。
  滝の壁面岩盤は、マグマが冷えて固まった
  安山岩でできており、柱状節理が発達しています。

  薩摩藩初代藩主・島津忠恒の和歌に詠まれたり、
  橘南谿の「西遊記」においても賞賛を受けるなど、
  薩摩随一の名滝として知られ、
  儒者の安井息軒もここを訪れています。

  昔、唐人がこの滝を賛美して、
  「漢土の龍門瀑を見るが如し」と言ったことが
  この名の由来とされています。

   ※漢土の龍門瀑とは、
    黄河の上流にある三段の滝のことで、
    難関を乗り越える時に使われる「登竜門」の
    起源となった滝です。


■小牧の棚田
  霧島市の錦江湾を望む高台にあります。
  棚田等の枚数は192枚、作付面積5.1ha。
  鹿児島県の保存棚田に登録されています。

  ここでも「西郷どん」の撮影が行われました。 



滝の上にある展望台より




■坂元のくろず「壺畑」 情報館&レストラン
  江戸時代後期創業の坂元醸造。
  壺造り純米黒酢の歴史と製法について
  紹介している施設。
  壺畑とよばれる黒酢の壺が整然と並ぶ様子を
  眺めることができます。

  情報館では、蒸米、麹、地下水だけで仕込む
  黒酢について映像やパネルを使って紹介。

  レストランでは、200年の伝統製法で造られる
  「坂元のくろず」を使った体にやさしい料理を
  楽しむことができます。
■昼食
  「古里庵 霧島店」。
  霧島山の別荘地にある地鶏料理の店。
  店自体も別荘を改装したものでした。

  看板料理は朝じめの地鶏を使った炭火焼き。

  「もも焼きセット」と「とり刺し」を注文。

  炭火焼きは、肉の鮮度が良いので
  ミディアムくらいの焼き加減がいいらしいです。
  弾力のあるしっかりした歯ごたえで、
  普通の焼肉店の鶏肉とは全然違いました。

  とり刺しもおいしかったです。
  ごちそうさまでした。
古里庵 霧島店
木々に囲まれた静かな一軒家です
もも焼きセットのもも肉

とり刺し



セットメニュー(食後にコーヒーが付きます)
■霧島神宮
  創建が6世紀と古い歴史を誇る神社で、
  主祭神は瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)。
  本殿・勅使殿などは国の重要文化財に
  指定されています。

  高千穂は天照大御神の孫「ニニギノミコト」が
  降り立ったとされる天孫降臨の地として
  知られています。
  その高千穂峰と御鉢(噴火口)の間にある
  脊門丘に社殿が造られたのが始まりとされています。

  しかし、度重なる噴火により幾度となく炎上、
  西の中腹にある高千穂河原へ遷されますが、
  ここでも噴火による焼失を繰り返しました。
  現在の場所には500年以上前に遷されました。

  現在の社殿は、正徳5年(1715年)に
  薩摩藩第四代藩主・島津吉貴公の寄進により
  建てられたものです。

  坂本龍馬と妻・お龍も参拝した霧島神宮は、
  現在、年間約150万人の参拝者で賑わい、
  南九州屈指のパワースポットとしても有名です。



大鳥居(一の鳥居)
高さは22.4mで西日本一
これまで黒鳥居でしたが、新天皇陛下の御即位を記念して
今年(令和元年)から鮮やかな朱色に生まれ変わりました
招霊木(オガタマノキ)
神様の御神霊をお招きする木といわれています
国歌「君が代」の歌詞にも出てくる「さざれ石」
小さな石が永い年月をかけて大きな巌になったもの
三の鳥居
参道

御神木(右画像→)
樹種はメアサ杉 
高さ38m、樹齢800年
勅使殿(国登録有形文化財) 坂本龍馬・お龍夫妻も参拝に訪れました


■豊受神社
  薩摩藩家老であった桂久武を祀る神社。

  桂久武は小松帯刀と並ぶ薩摩の名家老。
  島津氏分家である日置島津家第十二代当主の
  島津久風の五男として生まれ、
  桂久徴の養子となって桂久武と名乗りました。

  その後、造士館演武係方など要職を務めますが、
  薩摩藩第十一代藩主・島津斉彬公の死後、
  斉彬派だった久武は大島守衛方・銅鉱山方を
  命じられ、奄美大島に左遷。
  この頃、奄美大島に流刑中であった西郷隆盛と
  親交を深めました。

  慶応元年(1865年)、家老に昇格。
  西郷隆盛らが討幕へと舵を切った際には
  保守派を説得し藩論をまとめました。
  維新後は鹿児島藩権大参事などを歴任。

  士族制度が廃止されると予見していた久武は、
  家臣たちの救済対策として開拓事業を思い立ち、
  霧島神宮近くの土地の払い下げを受け、
  約130haの農地を造り上げました。
  豊受神社周辺が久武らが開拓した地域であり、
  桂内集落として名前が残っています。

  明治10年(1877年)、
  西南戦争で西郷隆盛が挙兵すると
  大小荷駄隊長として薩摩側に参軍。
  隆盛と行動を共にし、城山で戦死しました。
桂久武顕彰碑

■霧島神話の里公園
  自然の地形を生かしたレジャーパーク。
  標高670mに位置し、霧島連山をはじめ、
  錦江湾、桜島、開聞岳などを一望することができます。

  遊覧リフト・パターゴルフなど遊具施設が充実しており、
  大人も子供も一日ゆっくり遊ぶことができます。

  また、道の駅霧島を併設しており、
  レストランや地元特産品の売り場も充実しています。


特産品の売り場と桜島だけ眺めて、
次の観光地に向かいました。
霧島神話の里公園より桜島と錦江湾を望む

■和気神社
  昭和21年(1946年)創建。
  祭神は正一位護王大明神(和気清麻呂公)。

  和気清麻呂公は、神護景雲3年(769年)、
  宇佐八幡宮神託事件で道鏡により大隅国に配流され、
  名誉回復されて再び都に呼び戻されるまでの日々を
  この周辺で過ごしたと伝えられています。

  拝殿前には狛犬ならぬ狛猪が置かれています。
  これは和気清麻呂公が配流の際に、
  宇佐神宮に参詣しようと豊前国に上陸したところ、
  猪が輿を守ったとの伝説により、
  猪が守護神とされているためです。

  境内には伝説の猪にちなみ、
  白猪の「和気(わけ)ちゃん」が飼育されています。
拝殿

狛猪

日本一大きな絵馬
幅12.5m、高さ8.2m、畳50畳分の広さ
白猪の「和気(わけ)ちゃん」


■犬飼滝
  落差36.0m、滝幅21.8m、滝壺幅33.4m。
  霧島山を源流とする中津川の中流部にあります。

  柱状節理に覆われた滝壁を
  豪快に水が流れ落ちるさまが壮観な滝で、
  「21世紀に残したい新かごしま百景」の
  第一位に選ばれています。

  古くから名瀑として知られ、
  天保14年(1843年)に薩摩藩で編纂された
  「三国名勝図会」にも紹介されています。

  また、坂本龍馬も妻・お龍とここを訪れ、
  姉・乙女宛てに書いた手紙で
  「この世の外かと思われ候ほどのめづらしき所なり」
  と絶賛しています。
滝壺近くの滝見台より
虹がかかっていました
県道脇の滝見台より


■嘉例川駅
  明治36年(1903年)開業のJR肥薩線の駅。
  開業時の木造駅舎が残っており、
  国の登録有形文化財となっています。

  同じ肥薩線の大隅横川駅とならび、
  鹿児島県内で最も古い木造駅舎のひとつで、
  木製の長椅子や改札など、
  ノスタルジックな雰囲気が漂っています。
  
  かつては木材の運搬で栄えていました。
  現在は無人駅ながら、特急「はやとの風」が
  停車するという全国でも珍しい駅です。
木製の改札口と長椅子

嘉例川観光大使の「にゃん太郎」は外出中でしたが、
3匹のニャンコがうたた寝していました

■塩浸温泉龍馬公園
  塩浸温泉は新川渓谷温泉郷に属する
  温泉群のひとつ。
  文化3年(1806年)頃に発見されました。

  慶応2年(1866年)、
  寺田屋事件で手に傷を負った坂本龍馬は
  妻・お龍と薩摩藩にやってきました。
  その際、最も長く逗留した場所が塩浸温泉です。
  この時に龍馬が入ったとされる湯舟が
  川沿いに残されています。

  園内には龍馬が湯治した源泉を利用した
  「龍馬とお龍の湯」、「龍馬とお龍の縁結びの足湯」、
  「坂本龍馬お龍新婚湯治碑」などがあります。
坂本龍馬お龍新婚湯治碑 龍馬が入ったとされる湯舟


これにて一日目の行程はすべて終了。
本日の宿に向かいます。


■本日のお宿
  霧島温泉郷にある「霧島国際ホテル」。

  湯けむりとにごり湯の宿として有名で、
  9つの湯からなる湯量が豊富な
  源泉掛け流しの天然温泉を楽しむことができます。
  「お風呂の良かった湯」として、
  じゃらんにて2年連続、九州のホテル部門1位に
  輝いた実績があります。

  料理は、ブランド肉でもある黒豚や黒牛をはじめ、
  錦江湾であがった新鮮な魚や、
  地元野菜を使った会席料理が目玉。
  霧島の米「ひのひかり」や鹿児島名物のさつま揚げ、
  薩摩芋焼酎なども楽しむことができます。
部屋からは錦江湾と桜島を一望することができます

■夕食
  ホテル内の「ダイニングルーム 赤松」にて
  「霧島会席」。

  郷土のさまざまな食材を味わうことができ、
  おいしくて大満足の料理でした。

  メニューは以下のとおり。

  <お品書き>
   食前酒 :黒酢サワー
   先付  :もずく 胡瓜 さつま芋甘酢漬
         地元野菜無花果寄せ なめ茸餡かけ
         落花生豆腐 もろこし 叩きオクラ
         梅肉ソース
   造里  :鯛 鮪 きびなご 甘海老
   煮物  :鶏治部煮 絹筍餡かけ
         あく巻きあられ揚げ ブロッコリー 里芋
   鉄板焼 :鹿児島黒牛 玉葱 茄子 ピーマン
         さつま揚げ三品 小松菜
   鍋物  :黒豚胡麻風味
         水菜 薄揚げ 豆腐 榎木 くず切り 人参
   替り鉢 :なめこそば 山菜 葱
   温物  :茶碗蒸し
   洋皿  :桜島鶏ロースト 胡麻ドレッシング
         色取野菜
   御飯  :白飯
   止碗  :なめこ 若布 葱
   漬物  :三品
   デザート:季節の果物
食前酒

先付1 先付2
先付3 造里
煮物 鉄板焼1
鉄板焼2 鉄板焼
鍋物 鍋物
替り鉢 温物
洋皿 御飯 止碗 漬物
デザート 芋焼酎もいただきました



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