南九州旅行記 一日目(2012/09/12)


■出発
  YCAT(横浜シティ・エア・ターミナル)より
  リムジンバスで羽田空港に向かいます。
  横浜は晴れていましたが、目的地・宮崎は曇っている模様。

  羽田空港7:25発JAL1883便に搭乗。
  機材は今年度中の退役が予定されているマクダネル・ダグラスMD-90。
  好天だったので、富士山がきれいに見えました。

  宮崎空港に9:00ちょうどに到着。
  飛行機を降り、手荷物受取所に向かうと、
  すでにレーンに荷物が流れていました。早すぎです。

  まずは手荷物受取所正面にあるドリンクスタンド「パーム」へ。
  宮崎産完熟マンゴーを味わいます。
  旬は過ぎているので、冷凍したものですが・・・
  「マンゴーソフト」と「マンゴージュース」を注文。
  ソフトには角切りマンゴーが乗っています。
  角切りマンゴーだけでなくソフトそのものも甘くておいしかったです。
  ジュースは、ちょっと薄いような感じ。
  完熟マンゴー100%でしたが、冷凍なのでこんなものかと思っていたら、
  底の方はとても濃厚でした。沈殿してたんですね。
  よく混ぜて飲みましょう。

  JAL1883便


ドリンクスタンド「パーム」


マンゴーソフト


  マンゴージュース


  一息ついた後は、レンタカー屋に連絡して送迎車で営業所へ。
  今回のレンタカーは、トヨタのパッソ。

  まずは宮崎銘菓「チーズ饅頭」を買うために宮崎市街に向かいます。


■菓子処わらべ
  ANAのキャビンアテンダントの間で評判となり、
  マスコミ等にも取り上げられるようになって、
  宮崎のチーズ饅頭を全国へ広めたお店。

  「その日作ったものをその日のうちに召し上がっていただく」ことを
  モットーに、全て手作りとのこと。
  作り置きしないので、当日分が売り切れたら完売。
  午前中に完売することも多いそうです。

  行って売り切れてたら残念なので、あらかじめ予約しておきました。
  購入して早速食べてみます。
  外側がクッキー生地でサクサク、中のチーズとの相性もバッチリです。
  他の店のチーズ饅頭を食べたことがありますが、
  この店の方が断然おいしかったです。


■青島
  「鬼の洗濯板」と呼ばれる波状岩に囲まれた、
  周囲1.5kmほどの小さな島。
  ビロウ樹をはじめ、27種の亜熱帯性植物が茂り、
  「青島亜熱帯性植物群落」として国の特別天然記念物に
  指定されています。
  神話「海幸彦・山幸彦」の舞台となった場所で、
  島の中央には青島神社があります。

  「鬼の洗濯板」は、新第三紀(約2400万年~約200万年前)に
  海床でできた水成岩(硬い砂岩と軟らかい泥岩が
  交互に積み重なった層)が傾斜をなして隆起した後、
  長い時間をかけて波の侵食を受け、軟らかい泥岩層が削られて
  硬い砂岩層だけが板のように積み重なって見えるようになったもの。
  「青島の隆起海床と奇形波蝕痕」として
  国の天然記念物に指定されています。


   鬼の洗濯板

青島へは弥生橋を渡って行きます



■青島神社
  青島のほぼ中央に鎮座する神社で、青島全島が境内となっています。
  祭神は、
    彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)
    豊玉姫命(とよたまひめのみこと)
    塩筒大神(しおづつのおおかみ)

  いずれも山幸海幸神話に因む神で、
  縁結び、安産、航海安全の神として信仰を集めています。
  創建された年代は不明ですが、
  千年以上前から奉祀されていたとされています。
  昔は島内全域が神域として島奉行や神職以外の一般の人々の入島が
  禁じられていた時代もあったそうです。

  宮崎で春季キャンプを行う巨人軍が、
  毎年、優勝祈願に訪れることで有名ですね。




  拝殿

元宮へ続く道


元宮


  巨人軍の絵馬


  青島神社参拝の帰り、にわか雨が降ってきました。

  車に戻る途中、参道の店でご当地グルメ「肉巻きおにぎり」を購入。
  「本家宮崎肉巻きおにぎり」のフランチャイズ店のもので、
  宮崎県産の豚肉・お米を100%使用したこだわりの逸品です。
  さらに、「お菓子の弥五郎」にて「チーズ饅頭」と「マンゴージュース」を購入。
  マンゴージュースは宮崎県産のマンゴー100%使用です。

  雨なので、車の中で肉巻きおにぎりとチーズ饅頭を食す。
  肉巻きおにぎりは、甘辛い味付けでなかなか美味。
  チーズ饅頭は焼きたてで、クリームチーズがふんわりした感じ。
  わらべのチーズ饅頭も美味でしたが、それよりもおいしかったです。
  追加でもう一個買いに行きました。
  肉巻きおにぎり

お菓子の弥五郎


■日南フェニックスロード
  宮崎市街から都井岬へ至る道路(国道220号・448号)。
  日本の道100選のひとつ。
  コバルトブルーの海、岬と入り江が織りなす雄大な景色が広がる
  日南海岸に沿うルートで、
  沿道にはフェニックスやワシントンヤシなどが植えられ、
  南国ムードたっぷりです。

  途中にある堀切峠と道の駅フェニックスに立ち寄り。
  いずれも崖下に鬼の洗濯板を見ることができます。
  道の駅フェニックスでは「日向夏ソフト」を食す。
  今年7月に新発売になったばかりのものです。
  さっぱりとした酸味で、とてもおいしかったです。
  堀切峠

道の駅フェニックスの展望ウッドデッキより


  日向夏ソフト

■鵜戸神宮
  日南海岸の断崖の海蝕洞の中に本殿が鎮座する、日本でも珍しい、
  階段を降りて参拝する神社(下り宮)。

  主祭神は、
    日子波瀲武鵜葦草葦不合命
    (ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)
  相殿神は、
    大日孁貴(おおひるめのむち)(天照大御神)
    天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)
    彦火瓊々杵尊(ひこほのににぎのみこと)
    彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)
    神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)(神武天皇)

  創建は崇神天皇(在位:紀元前97年~紀元前29年)の御代と伝えられ、
  安産、夫婦円満、そして縁結ぴの神様として親しまれています。

  本殿裏には「お乳岩」と呼ばれる乳房に似た二つの突起があります。
  豊玉姫が綿津見国へ去る時に乳房をくっつけたものと伝えられ、
  主祭神はそこから滴り落ちるお乳水で作った飴を母乳代わりにしたと
  いわれています。

  本殿前の岩場には豊玉姫が龍宮から乗ってきたと伝わる
  霊石亀石があります。
  この亀石の背中に桝形の窪みがあり、
  この窪みに向かって「運玉」を投げ、
  見事入ると願いが叶うといわれています。
  男性は左手、女性は右手で投げ入れます。




  神門

楼門

本殿(宮崎県指定有形文化財)

撫でうさぎ

  お乳岩

霊石亀石


運玉


  神犬石


■鵜戸埼灯台
  石灯籠型の珍しい灯台。
  鵜戸神宮の参道にふさわしく、
  日南海岸国定公園内の景勝地としての景観に調和するように
  設計されました。
  高さ:12m。光が届く距離:14海里(約26km)。光の強さ:9100カンデラ。
  初点灯は昭和42年3月28日。


■鵜戸千畳敷奇岩
  宮崎県指定天然記念物。
  鵜戸神宮近くでは、広さが畳で千畳もあろうかという
  平坦な平磯が干潮時に見られます。
  これは、青島周辺で見られる波状岩(通称:鬼の洗濯板)と同様のもので、
  その傾きの角度や向きが異なるために平坦に見えるものです。
  約1200万年前から600万年前にかけて、
  砂岩と泥岩が交互に堆積した地層(新第三紀宮崎層群)で、
  長い年月にわたって日向灘の激しい波浪や風雨にさらされ、
  侵食されて現在の姿となりました。


■昼食
  宮崎名物「チキン南蛮」食べるために
  日南市飫肥にある「喫茶 園」へ。
  チキン南蛮の人気店ですが、
  14時前だったので、それほど混雑していませんでした。
  「チキン南蛮定食」を注文。
  ご飯の量が私と妻で違っていました。店の心遣いですね。
  チキン南蛮は、見た目は濃厚な感じですが、
  さっぱりした感じでおいしかったです。
  朝から食べっぱなしでしたが、すべて平らげました。
   鵜戸埼灯台



  鵜戸千畳敷奇岩



喫茶 園


チキン南蛮定食


  飫肥の観光を始める前に観光案内所にて、
  「食べあるき・町あるきマップ」を入手。
  飫肥城下の由緒施設の入場券と
  名物や名産品の引換券が付いている散策マップです。


■飫肥城
  飫肥市街北部の丘陵に曲輪を幾つも並べた群郭式の平山城。
  別名、舞鶴城。日南市指定文化財。
  日本100名城にも選ばれています。

  東西約750m、南北約500mの城域に、
  大小13の曲輪と犬馬場などからなる広大な城です。
  各曲輪はシラス台地を空堀で区切った壮大な規模で、
  南九州の中世城郭における特徴的な形態となっています。
  城内の各曲輪は、本丸、松尾、中ノ城、今城、西ノ丸、北ノ丸などの
  名称で呼ばれていました。

  築城年代は定かではないが、正平年間(1346~1370年)に、
  土持氏によって築かれたといわれています。
  戦国時代には、飫肥城の覇権をめぐって、
  伊東氏と島津氏が約100年にわたり、激しい攻防戦を繰り返しました。
  その後、天正15年(1587年)、豊臣秀吉の命により伊東祐兵が入城し、
  明治まで約280年間、14代にわたって伊東氏が飫肥藩を治めました。

  明治2年(1869年)、伊東氏は大手門前の豫章館に移り、
  明治6年(1873年)には城内すべての建物が取り壊されました。



  大手門

大手門前の空堀

  犬馬場の石垣

旧本丸跡
飫肥杉が林立しています

  旧本丸北門


■松尾の丸
  飫肥城内の木立に囲まれた小高い場所に松尾の丸があります。
  江戸時代初期の藩主の御殿を再現したもので、
  時代考証のうえ、昭和54年に樹齢100年以上の飫肥杉を使って
  建築されました。
  書院造りで、御座の間、茶室、御寝所、湯殿、台所など
  20室以上の部屋があります。
  湯殿は、国宝である西本願寺の飛雲閣のものを模した
  こけら葺きの総桧造りとなっています。
  往時の藩主の暮らしぶりをうかがい知ることができます。



御座の間

御寝所


湯殿


  台所


■飫肥城歴史資料館
  飫肥城復元事業で、昭和53年に建設されました。
  甲冑、刀剣、武具、古文書、衣服、装飾品、駕籠(女乗物)など、
  飫肥藩ゆかりの貴重な歴史的資料約220点を展示。
  伊東氏や飫肥藩の歴史も詳しく解説されています。








■豫章館
  日南市指定文化財。
  明治元年(1868年)に造られた飫肥藩の典型的な武家屋敷。
  明治2年(1869年)、飫肥藩主の伊東祐帰が知事に任ぜられて、
  城内よりこの屋敷に移りました。
  その時、庭の北隅にあった樹齢数百年の大楠にちなんで
  豫章館と名付けられました。
  薬医門と屋根付きの塀に囲まれた約6500㎡の屋敷内には、
  主屋、御数寄屋、雑舎(台所・便所・納屋)、蔵を配しています。
  南面一帯は武学流の作庭といわれる庭園で、
  広い空間に庭石や石灯籠、庭木などが巧みに配置され、
  愛宕山を借景にした枯山水の庭園となっています。

  主屋

薬医門


主屋


  御数寄屋


■小村記念館
  小村寿太郎侯は飫肥の生んだ明治の偉大な外交官。
  日本の近代外交の礎を築いた人物で、
  明治38年(1905年)、ポーツマス条約を調印して
  日露戦争を終結に導いた人物として有名です。
  この記念館は、寿太郎侯の遺徳・功績を顕彰するとともに、
  国際化に対応できる人材育成や文化活動に寄与することを
  目的に平成5年に開館しました。
  寿太郎候の遺品、生涯や功績などを紹介した資料などが
  展示されています。



■高橋家住宅(旧高橋源次郎家)
  飫肥城下の町家筋である本町通りのほぼ中央に立地。
  飫肥の実業家で、貴族院議員を2期務めた高橋源次郎が建築。
  明治中期の近代的和風建造物で、
  屋根が茅葺きから瓦葺きに転換し始めた頃の建築物として
  価値が高いものです。
  主屋や蔵などの5件が国登録有形文化財となっています。






■商家資料館
  日南市指定文化財。
  飫肥城下の商人通りとして栄えた所にあります。
  明治3年(1870年)に当時の山林地主の山本五兵衛が
  建てたものを資料館に改修し、
  当時の商家及び商人たちが使用していた道具約250点を
  展示しています。
  木造一部二階建ての白漆喰壁の土蔵作りで、
  樹齢200年以上の飫肥杉を使った豪壮な建物です。




■旧山本猪平家
  日南市指定文化財。
  飫肥の豪商であった山本猪平が、
  1907年(明治40年)頃に建築した商家の本宅。
  敷地面積1100㎡の中に、主屋、離れ屋、台所、浴室などが
  ほぼ建築当初のまま保存されていて、
  飫肥の商人屋敷を現代に伝える遺構として貴重なものです。






■小村寿太郎候誕生之地
  旧山本猪平家の隣にあります。
  寿太郎候は、安政2年(1855年)、
  町役人(別当職)をしていた小村寛の長男として、
  この地で生まれました。
  明治になって、小村家は破産したため、この土地は山本猪平に売却。
  昭和8年に山本家が土地を寄付するとともに、
  飫肥藩関係者の寄付金によって、この記念碑が建てられました。
  題字は元帥海軍大将・東郷平八郎が揮毫したものです。




■小村寿太郎候生家
  寿太郎候は上記の記念碑の場所で生まれましたが、
  小村家が破産したため、生家は振徳堂裏に移築、
  さらに大正10年(1921年)に現在の武家屋敷通りに移築されました。
  その後は大きな改修は行われずに現在に至っています。
  飫肥重要伝統的建造物群保存地区における
  伝統的な建築様式を現在に伝える重要な建物であり、
  寿太郎候ゆかりの建物としても価値の高いものです。


  飫肥観光の締めとして振徳堂に行ったところ、
  すでに閉館していました・・・
  到着時刻16:36、閉館時刻16:30。
  せめて17:00までは開館してください!


■振徳堂
  日南市指定文化財。
  飫肥藩の藩校で、天保2年(1831年)、13代藩主・伊東祐相が設立。
  教授陣には安井滄洲・息軒親子などが招かれ、
  小村寿太郎候をはじめ、
  「飫肥の西郷」と呼ばれた小倉処平などを輩出しました。
  現在残っているのは主屋、長屋門などですが、
  この他に聖堂、藩公休息の間と書斎、講堂、槍場、撃剣場、
  土蔵、寮などがあったようです。

  振徳堂 長屋門


  飫肥城下町観光の合間には、
  「食べあるき・町あるきマップ」で食べ歩きを楽しみました。
  「あらたけ」と「間瀬田厚焼本家」で飫肥名物「厚焼玉子」、
  「元祖おび天本舗」で飫肥名物「おび天ぷら」と「おび揚げ」、
  「商家資料館」で「姫あいす」、
  「菓子工房わかば」で「日向夏マドレーヌ」をゲット。
  飫肥の厚焼玉子は江戸時代より伝わるもので、
  甘さ控えめの固いプリンといった感じ。
  「間瀬田厚焼本家」よりも「あらたけ」の方が私好み。
  でも、一度食べたらもういいかな・・・
  ↑個人的感想です。ほぼ満腹状態だったので、そう思ったのかも・・・
   鯉の泳ぐ水路

「あらたけ」の厚焼玉子


「間瀬田厚焼本家」の厚焼玉子


  おび揚げ(左上)とおび天ぷら(右下)


■夕食
  日南市のJR油津駅近くにある「日南館本館」へ。
  「みやざき地頭鶏(じとっこ)」の養鶏場を営む「塚田農場」の直営店。
  築60年の古民家を改築した、
  日南素材の地産池消をコンセプトにしたお店です。

  「みやざき地頭鶏」とは、飼育密度や飼育期間等が
  厳しく管理された宮崎が誇る最高ブランド地鶏。
  生産指定農場で平飼いされているために自然と筋肉が発達し、
  「歯ごたえがありながらも柔らかい」という独特の食感があります。

  「じとっこ焼」、「地頭鶏刺身盛合せ」、「地頭鶏ユッケ」、
  「じとっこスープ」などを注文。
  ホテルまで車を運転しなければならないのでビールは飲めず。
  「日向夏ソーダ」と「ウーロン茶」で我慢。

  「じとっこ焼」は宮崎名物の炭火焼き。
  レア焼きで炭の香りがいい感じ。
  鶏の旨味を存分に堪能できた逸品でした。
  「地頭鶏の刺身」も朝挽きで新鮮そのもの。
  とてもおいしかったです。

  最後にデザートとして、
  地頭鶏の卵を使って作られた「自家製プリン」を注文。
  卵の美味しさが感じられるプリンでした。
  お通し
  自家製味噌をつけて食べます

 
  じとっこ焼

地頭鶏刺身盛合せ

ぼんじり焼

  地頭鶏ユッケ

むねみのねぎ塩焼


じとっこスープ


  自家製プリン


■本日のお宿
  「日南海岸南郷プリンスホテル」。
  日南海岸国定公園南端のおだやかな渚にたたずむリゾートホテル。
  明るく開放的な雰囲気に包まれた全室オーシャンビューのホテルです。
  雄大な太平洋や緑豊かな大島などの島々を一望でき、
  日向灘を染める美しい日の出も見ることができます。



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